【SB冒険日記番外編<その一> カードキャプターメリーサ】  僕は『メリーサ』って言うんだ。なんでも『レダ』さんの都合上ずっと16才だって言い続けるんだって。良くわかんないけど・・・。そんな僕だけど、これでも英雄になったんだよ。もう、一人前の冒険者なんだ。お父さんとお母さんには、遠く及ばないけど、それでも英雄の仲間入り。  そんな僕に、レダさんが言った。 『英雄になったからって、一人前って事にはならないよ。この世界にはいろんな愉しみがあって、その一つはカードコレクション。メリーサちゃんも集めてみるかぃ?』 『んっ!!カード集め!!うん、僕、頑張って集めてみるょ!!^-^』 『じゃあ、これがリストだから、頑張ってね。』  僕が受け取ったのは魔物の名前と、その特長と、フィールド別に分類されたノート。なんで『レダ』さんはこんな物を持っているのか不思議に思ったけど、きっと図書館で集めた資料なんだろうな。と、言う訳で、僕はカードを集める為に再び冒険の世界へと足を踏み入れたんだ―――  一日目。  とりあえず、草原で魔物退治。朝からずっと、コツコツ戦っている。『ミノタウロス』のミノさんをすでに二十三体倒しているのに、全然カード化してくれない。 『なんでなのぉ!?!(>_<)プンプン!!』  ぼやいたって、カードになるわけじゃない。『根気が勝負のカード集め』とは、お父さんの教えだったりするんだけど、とにかく僕も根気良くがんばってみる。 『ぁっ!!カードだぁ!!^-^』  ついに、ミノさんのカードをゲット。早速街に戻って、狩人ギルドにアルバムを作成して保管。この施設はアルバムの保管だけじゃなくて、ハンターリーグと言う常時開催の大会もあるんだけど、僕はまだデッキを持っていないので、参加できないらしい。  再び草原へ向かう。午後になると、僕以外の冒険者もたくさん活動している。放置されたアイテムや魔物があちこちに落ちていて、そのなかにはカードもある。 『ちゃんとぉ掃除しなくっちゃね!!^-^』  とか宣言しつつ、拾ったカードは未所持の物だとわかればこっそり荷袋にしまいこむ。放置された物は、勝手に持って行ったからって誰も怒らないんだけど、本当なら、放置なんてないほうがいいんだけどなぁ・・・。  結局、今日の収穫は8枚。始めたばかりだから、未所持のカードばかりで簡単に集まった。明日もこんな調子だといいよねっ♪  二日目。  今日も草原を歩き回る。近くを『どらもん』くんが通り過ぎたけど、ライバルなので気が付かないふりをしてやり過ごす。向こうも気が付かなかったから同罪だもん。と思ったら、違う人に声をかけられた。 『おゃ?カード集めかい?』  その人は噂の『トーイ』おにーさん。 『レダさんに言われて集め始めたんです^-^』 『ふーん、レダちゃにねぇ・・・。』  何か考え込んでいる様子だったけど、僕がカード化したミノさんを踏み潰しているのを見てこう言った。 『また大会開くようにレダちゃに伝えておいてよ。ウズメちゃんが手に入らないからさ〜。』  ウズメちゃんとはなんの事か良くわからなかったけど、伝えておくと言う約束をして、その場は別々の方向に向かって歩き始めた。  魔物のカード化はたびたび発生するけど、それはすでに所持している物ばかり。全然欲しいカードが手に入らず途方にくれかけていると、蛙の鳴き声が聞こえて・・・じゃなくて、姿は蛙だけど『ロリロリ〜』って鳴く珍しい蛙さんが現れた。  僕が魔物と戦ってると援護してくれるんだけど、援護されてるって言うか、援護しているフリして、僕の身体をペタペタ触ってるような気がする・・・。気の性かなぁ? 『はぁはぁ・・・。』  なんか、この蛙さんの呼吸が荒い。荒いけど、援護をしてくれるので戦闘はだいぶ楽になった。カードは全然集まらないんだけど。  いつのまにか夕暮れ。辺りが暗くなったころ、蛙さんが僕の肩を叩いて、カードを手渡してくれた。僕が受け取るのを見ると満足そうに帰って行く蛙さん。なんのカードだろう? 『んっっ!!??これゎぁっ、蛙の王様カードだ!!^-^;』  リストにはレアカードとして記載されていて、入手難易度はそこそこ高いらしいけど、貰っちゃって良かったのか不安に・・・。結局、それ以外の物は入手できず、一日は終わってしまった。  三日目。  今日は諦めて、海岸に行く事に。いつものように『ミーニャン』おねーさんが海でコツコツ魔物を倒している。その近くには・・・。 『豚さんがぃるっ!!??^-^;』  驚いて声を出してしまったので『ミーニャン』おねーさんがこっちに振り向いた。 『メリーサちゃん、こんにちは。』 『こんにちゎ、おねーさん*^-^*』 『ブヒブヒ〜(;;)』 『んっっ??』  この豚さんは、昨日の蛙さんと違って喋れないらしい。喋るとは言っても、いっつも『ロリロリ〜』って言うんだけど。 『この豚さんは、シマウって人なのよ。』 『ひとぉ???^-^;』 『実は普通に喋れたりするんですけど。』 『豚さんが喋ったぁ!!!?^-^!!』  なんでも『シマウ』さん曰く、豚道を極めるのは難しいらしい。豚道ってなんだろう???  今日も不思議な一日でした。  四日目。  昨日は『ミーニャン』おねーさんと『シマウ』豚さんとお話していて、目的を忘れてしまった。と言う訳で再び海岸へ。  今日は珍しく『ミーニャン』おねーさんがいなかったけど、そのかわりって言うのも変な言いかたなんだけど、以前雪山を一緒に旅をした『輝夜』さんと出会った。この世界のベテランさんだ。僕は挨拶も兼ねて色々とカードの事に付いて質問してみたけど、あまり教えてもらえなかった。 『私に訊くより、もっと良い人がいるでしょう?』 『もっとぃぃひとってだれだろぅ??^-^』  『輝夜』さんは、わらったまま答えてくれなかったけど、僕は何となく誰の事かわかったような気がする。きっと『レダ』さんの事なんだろうけどなぁ・・・。  雑談して昨日と同じ事になっては困るので、とりあえず『輝夜』さんと別れて、一人でコツコツ魔物退治。 『ェィ!!エイッ!!>_<』  頑張って魔物を倒し続けていると、何枚かは手に入ったけど、さっきから同じ魔物さんばかり出現する。あまりにも同じ魔物さんばかり出現する物だから、飽き始めちゃったその時。    強 敵 『 暗 黒 騎 士 』 が 出 現 !!  『なんなのぉ〜(>_<)』  僕は魔物の攻撃1回で瀕死状態。回復アイテムを持っていたのですぐに回復したけれど、なかなか攻撃が当たらず、反撃のダメージばかり。回復アイテムが底をつきはじめころ、一陣の風と共に一人の女性が僕のところに現れた。長くて綺麗な髪の毛を靡かせたあの人だ。 『メリーサちゃん、大丈夫?』 『ぁ、はぃ、だいじょぅぶです^-^』  援護してもらいながら戦うと、多少の苦労はあったけど、なんとか倒す事ができた。しかも、魔物はカード化したので、喜んでカードを回収♪あまりにも嬉しそうに見えたのか、弓を持ったままくすくす笑っている。 『メリーサちゃんは、カードを集めてるのかしら?』 『はぃ!!レダさんのススメで集めてるんです^-^』 『ふ〜ん、レダさんのねぇ・・・。』  なんとなく、何日か前にもそんな口調をされた記憶がある。『レダ』さんのススメってなにか問題があるのカナ?とにかく、いっぱい、いっぱいお礼を言って、僕は街に戻った。今日の収穫は3枚。  五日目。  冒険に出かける前に、酒場を覗いて見る事にした。案の定『レダ』さんはそこにいた。『輝夜』さんもいるようだ。でも、朝早い時間なのにもういるなんて徹夜だったのかな? マスターは僕が入ったのを見ても、誰にするのと変わりない挨拶だった。でも、『レダ』さんは違う。 『あっ!めりぃぃさぁぁちゃーーんーーー!!』  凄い気合の入った声で呼ばれた。 『メリーサちゃん、OOOットぎゃrうあせdfgyふじこlp; ( 放送コードを超えました。しばらくお待ちくださいm(_ _)m )  ・・・酔ってるのかと思ったら、下戸な『レダ』さん。なんでそんな人が酒場に入り浸っているのかは良くわからないけど、とりあえず、いまの『レダ』さんは危険なので、『輝夜』さんとお話をする事に。 『カード集めてるんだって?』 『はぃ^-^』 『どのくらい集まったの?』 『まだまだ、ぜんぜんです^-^;』 『ふ〜ん。』 『・・・^-^?』  しばらく無言の後、『輝夜』さんは言った。 『CCメリーサ人形を作って売り出すつもりだって知ってた?』 『!!!!^-^!!!?』  僕は、その時からカードを集めるのをやめた。  そして、最後に一言『レダ』さんがなにか言いたそうなので、僕と『輝夜』さんは黙って『レダ』さんを見た。 『俺は、ヘンタイじゃねぇぇぇぇぇぇぇえヽ(`Д´)ノガゥガゥ!!』 『エッチなんですよね^-^』  『レダ』さんは、ちょっと嬉しそうに頷いた――― 終わり^-^;