【スペルん家】どこにでもありそうな家庭の話を主人公の視点から見たホームドラマ これを見て面白いなぁって思いました。 でも、ちょっと物足りないので、私なりに書き加え様と思いました。 ホームドラマじゃないけど、この世界の設定を使って面白おかしくネ☆ 当然ですがネタです<きっぱり 【出会い系スペルバウンド〜僕の冒険日記〜】 主人公のデータ 名前※メリーサ 性別※♀ 職業※初期設定の戦士 年齢※諸事情により16才 性格※好奇心旺盛で臆病 口癖※自分の事を『僕』と言う その他の登場人物 ※私の知っている有名な人々 ※荒らしくんも登場するかも 目次・・・ 【プロローグ】 自己紹介〜僕はメリーサ! 【第一話】 街並みを歩いて〜冒険前の街の探索 【第二話】 街の外は魔物でいっぱい!?〜フィールドにて 【第三話】 聖獣って何?〜固有魔物との戦い 【第四話】 英雄の目的〜新たなる旅立ちへ 【最終話】 やっぱりこの街が好き!〜あの酒場に戻ろう 【プロローグ】(自己紹介〜僕はメリーサ!) 僕の名前は『メリーサ』って言うんだ。 お母さんは『樹香』お父さんは『富士重工』って言って、昔は立派な冒険者だったらしい。 今は毎日、家で遊んでるみたいだけど、我家に収入があるのかちょっと心配・・・。 そんな僕も、昨日16歳になったんだよ。 毎日毎日、冒険者に成る為に勉強したんだ。 だから、明日からは僕は立派な冒険者なんだ。 お母さんは誕生日プレゼントと言うつもりか良くわからないけど、短剣と胴の鎧をくれた。 ちょっと不思議なんだけど、僕達の世界では武器を装備するとその職業に早変わりする。 短剣は装備すると戦士なんだって。 あ、ううん。 知らないわけじゃないよ。 ちゃんとSB学校を卒業してるから、一通りの事は知っているんだ。 でも、初めての人もいるよね? だから、何かする時はちゃんと説明しなさいって、『万次郎』先生に言われたんだ。 これを読めば初めての人もちゃんとした、立派な冒険者になれる。 その意気込みで日記を付ける事にした。 でも、ちゃんと書けるのか、ちょっと不安な僕なんだけど。 皆の応援でガンバルから、よろしくネ☆ 明日はいよいよ冒険初日。 気合入れて寝ないと、最初からへばっちゃうかも・・・。 んじゃ、今日はこのぐらいでおやすみなさい^-^ 【第一話】(街並みを歩いて〜冒険前の街の探索) ん〜良い天気☆^-^ 絶好の冒険日和になって気分はサイコー♪ お父さんとお母さんは、僕を見送る為に玄関まで付いて来た。 しかも、遅くならないうちに帰ってきなさい。 だって。 僕はもう子供じゃないんだぞ! ぶぅ。 冒険初日は、街の探索。 とりあえず、色々な物を見て確認して知っておかないと、今後困る事があるんだって。 『万次郎』先生が、学校で口がすっぱくなるくらい言ってた。 僕の耳にもタコが出来ちゃうぐらい。 とにかく出発だぁ〜♪ まず、『ステータス』 ここでは自分の装備とか経験値とか確認できる。 自分の身体を自分でぺたぺた触って確認確認^-^ 次に、『居酒屋マリン』 ここではお酒を飲む事よりも、情報交換が主に行われてるって言うことだけど、僕はまだ入るのが怖いから、もうちょっと先かな。 『ゲームセンター』 ここではオセロと将棋を楽しむ事が出来る。 今の僕にはあんまり関係ないけど、何事も見る事だって。 ん〜・・・。 パス! ここは『宿屋』 この世界に一つしかない有料の宿泊施設。 体力が回復するだけじゃなくて、ステータスの異常も回復してくれる。 綺麗で独身お姉さんが経営しているらしい。 僕も大きくなったら綺麗なお嫁さん・・・。 ううん。 僕はもう大人だ! だからパス。 『ショップ』 いわゆる普通のお店。 でも、その人の職業に適した武器しか売ってくれない、ちょっと変わったお店。 防具や道具も売っていて、冒険初期は頻繁に利用するだろう・・・って、先生のお言葉でした。 『ロビン銀行』 ここでは皆の大切なお金を保管してくれる。 9999J(ジェニー)まで保管してくれるし、貯金したお金で不動産も買うことが出来る。 口座開設にはお金は要らないだから、僕も作っておこうっと。 『出会い系住宅』 僕の家もこの住宅地の中にある。 関東って呼ばれる場所の一番奥にね。 自宅では冒険で手に入れたアイテムを売る事がで来て、けっこう便利。 保管できるアイテムが多いほど家賃も高くなるんだけど、僕の家って家賃いくらなんだろう? きっとお父さんが払ってるんだろうから、僕は知らない。 『軍団ギルド』 冒険者達がグループになって集まる為の施設。 有名な冒険者になったら僕も誰かに勧誘されるかも・・・。 ここは『冒険者ギルド』 いろんな依頼があって、冒険者同士でいろんな取引が行なわれている。 でも、最近は無理な依頼が多くて、保管の代わりに利用している悪い人もいるんだって。 気を付けなきゃ。 『練金ギルド』 アイテムとアイテムを有料で練金してくれる施設。 練金って学校でも教わったけど、難しく失敗ばかりしてたなぁ・・・。 でも、いいんだ。 僕は冒険者だから。 ここで働いている人は良い給料を貰えるって噂だけど、冒険者からの仕事が多くていつも賑わってる。 きっと忙しい仕事場なんだろうな。 『狩人ギルド』では、カードやデッキを保管するアルバムを作る事が出来る。 フィールドで戦った魔物を倒すと、タマにカードに変わる。 それをここで保管してくれるって事なんだ。 カードコレクターの冒険者もたくさんいるけど、集めるとどうなるのか僕は知らない。 『図書館』はこの世界のあらゆる事が書物になっている。 わからない事はなんでもここで調べる事が出来る。 図書館の館長さんは、いつもお昼寝していて、今は2代目の館長さんが仕事をしているらしい。 でも、2代目の館長さんは図書館の奥でいかがわしいご本を読んでいるって街の噂なんだ。 いかがわしいって僕には良くわからないんだけど、とにかく、僕には必要のないもの。 変な声が聞こえるけど・・・怖いからパス! 『闘技場』では、自分の力を試すことが出来る。 ここの施設内部では、相手に負けても死なないらしい。 死なないけど大怪我はするんだって。 ちょっと怖いな・・・。 うん。 もっと強くなったら来ようっと。 『合戦場』は、個人で戦うのと、団体で戦うのと、二つのフィールドが設置されている。 軍団ギルドで所属している団体同士が、戦う為に作られたらしい。 僕には人間同士で殴り合うなんて信じられないけど、それが好きな人もたくさんいる。 不思議な世の中だなぁ・・・。 『挨拶掲示板』では、初めましての挨拶をする為に、書き込む為のもの。 あ、僕もカキカキしようっと^-^ ”初めまして、僕ゎメリーサです。皆よろしくね☆” こんな感じかな。 よしよし。 『取引掲示板』では、冒険者ギルドでは扱いきれない大きな取引や取引相手との交渉などに使われている。 僕はまだ取引できるほど良いモノがないので、眺めるだけ。 残念・・・。 『総合掲示板』 これはなんだろう・・・? んーっと、別世界との交信の場所??? 今の僕には経験値が足りません・・・。 『弔いの石碑』 ここには、フィールドで死んじゃった人達の名前が刻まれた石碑がいっぱい並んでいる。 でも、死ぬ人が多くていつも満杯状態。 しかも、あんまり古くなった石碑は、壊しちゃうんだって。 ちょっと酷い気がするのは僕だけかなぁ? 『英雄の石碑』 どう言う理由でここに刻まれるのか今の僕にはわからない。 でも、ここには歴戦の英雄さん達がいっぱい、いっぱい。 がんばって、僕の名前もここに刻まれたいな^-^ 『各ランキング』 いろんな順位が載っている。 僕の順位なんて載っているわけがないよね。 まだフィールドにも出てないんだから。 『ワールドマップ』 簡単に言うと、ここが街と外の世界との境目。 ここから先に進むと魔物がいっぱい。 ちょっと怖いけど、僕も冒険者。 明日になったら行くぞ! そんな訳で一日中街を歩き回っていたから、疲れた。 そろそろ家に帰ろうかな。 まだちょっと明るいけど。 家に着くと、お母さんが夕飯を作って待っていた。 お父さんはお仕事の関係で今日の帰りは遅いんだって。 ちょっと寂しいけど、夕飯では、今日のことをいっぱいお母さんに話した。 お母さんはニコニコして僕の話を聞いてくれた。 ちょっと気になって、図書館の事をお母さんに訊ねると、こう返事が返って来た。 『2代目の館長は巡航艦レダって言う人だけど、エッチな人だから近寄っちゃだめよ。』 うーん・・・。 お母さんも若い頃は冒険者で、いろんな人といろんな所を冒険している。 だからお父さんと知り合って結婚する事になったんだけど、僕も冒険してたら素敵な男の人と出会えるかな? 不安いっぱいだけど頑張らなくっちゃ☆ さぁ、明日の大冒険の為に今日はこの辺りでおやすみなさい^-^ 【第二話】(街の外は魔物でいっぱい!?〜フィールドにて) 今日は冒険二日目。 僕は、ついにその一歩を踏み出す決意に身を固めた。 なんて、かっこつけて言ってみるけど、これは僕の予定。 冒険者なんだから当たり前なんだ。 ワールドマップ。 ここが、外の世界へと通じる唯一の道。 まず、僕は出会いの草原に行く事にした。 『万次郎』先生によると、初めてならここが良いだろうって。 でも、どきどきする・・・。 草原に出ると、僕以外にも冒険者の人でたくさん。 いろんな姿をしているのは、職業が違うからで、僕にも憧れの職業はある。 早く、皆のような常連者になりたいな^-^ 草原を歩いていると、魔物が現れた。 『グール』って呼ばれる雑魚魔物だ。 身体が腐っていて異臭を放っているので、近づきたくないけど、頑張って短剣で叩く。 バキッ☆ドカッ☆グシャッ☆ 勝った、勝った^-^ 『グール』を倒すと、姿が消滅してお金に変わった。 とっても不思議な瞬間。 お金を拾う。 んっ、ちょっと汚れてるけど、お金はお金。 大事に集めなきゃ。 草原で何度も魔物と戦っているうちに、少し慣れてきた。 『慣れてきたと思った時が一番危ない。』 と言うのは学校の教えの一つ。 僕はもう一度気を引き締めた。 草原はPK(プレイヤーキラー)禁止区域となっていて、初心者は少しだけ安全な旅が出来る。 だから、ちょっと足を伸ばして、草原の奥へ向った。 ん^-^? こんな所に蛙さんがいる・・・。 『こんにちわっ。』 蛙さんが喋った!!!! って、驚く僕を見て、蛙さんが笑っている。 ・・・^-^? 蛙さんってこんな鳴き声だったかな・・・。 『ケロケロ〜』って鳴くはずの蛙さんは、『ロリロリ〜』って鳴いている。 世界って、まだまだ不思議な事でいっぱい、いっぱい!! 僕はそう思ってその場を離れると、その蛙さんが付いて来る。 僕の後ろを嬉しそうに・・・。 ちょっと怖くなって、僕は走って逃げた。 やっぱり、最初は近くでウロウロして経験をためようっと。 魔物をたくさん倒していると、見なれない姿をした魔物が現れた。 図書館で調べた魔物図鑑によると、『呪術師』って言う名前らしい。 でも、僕が魔物図鑑で魔物の事を調べるようになったのは先の事だから、この時はまだこの魔物の事を知らない。 イキナリの事で驚いたけど、この世界での魔物との戦闘は、こちらから行動しない限り何もしてこない。 ちょっと疑問に思うけど、それが世界のルールだって。 だから、慎重に、ドキドキしながら、僕は呪術師に攻撃した。 『きゃっ!!』 ・・・・・・気持ち悪い。 どうやら、毒に侵されてしまったようだ。 僕は、いまさらになって学校の授業を思い出す。 そうだ、あの時『万次郎』先生が言ってたんだ・・・。 『外に出たら危険がいっぱいです、早めに耐性の指輪を身につけましょう。』 僕は迂闊にも忘れていた。 街まで遠い・・・。 気を失いそうに成った僕は・・・・・・・・・気が付いたらテントに包まれていた。 『呪術師』は影も形も消えている。 『大丈夫だったかい?』 と、話しかけてきたのは、冒険者の『トーイ』おにーさん。 たくさんお礼を言うと、ニッコリ笑って立ち去った。 そして草原の奥へと姿を消してしまう。 『トーイ』おにーさんは、この世界ではかなり有名な冒険者で、最近は冒険よりも、違う事に情熱を燃やしている。 って、お父さんが言ってた。 そんな『トーイ』おにーさんの後姿を見送った僕は、急いで街に戻って、『ショップ』で初めてのお買い物をする事にした。 お金はそこそこ貯まっているので、安心して耐性の指輪を買う事ができる。 でも、節約の為、一つ一つ専用の指輪を買っては『ステータス』で防具に身に付ける。 これで、バッチリだ☆ でも、草原に行くのはちょっと怖いので絶望の海岸へ。 名前がすでに怖いっ!!(>_<) でも、がんばるもん。 海岸に到着。 ここにも冒険者がたくさんいる。 意味不明な事を叫んで走りまわっている人もいて、ちょっと怖い。 水の上をテクテク歩いていると、お魚さんに襲われた。 『ピラニア』って言うお魚さん達の群れ。 短剣で応戦!! えぃ!!えぃ!!(>_<) ものすごく苦戦したけど、なんとか倒した。 回復用の寝袋がなくなっちゃったので、街に戻って購入する事に。 海岸で何度も繰り返して、戦っては回復アイテムを買いに街に戻る。 草原で戦っていた時よりも凄く苦労する。 なぜだろう? 海岸では、『ミーニャン』おねーさんが、コツコツと魔物を討伐していて、ちょっと質問して見ることにした。 この『ミーニャン』おねーさんは、僕の学校での先輩で、すっごく良くしてくれた優しい人なんだ^-^ その、おねーさんの説明によると・・・。 『海岸の魔物は水属性の攻撃が多いから、防具に水の耐性がないと苦労するのよ。』 だって。 僕の防具は銅の鎧。 つまり、水の耐性がない。 だから苦労してたんだ・・・。 やっぱり、草原に行こうかな。 僕には、まだ、海岸は辛かったと言うことを経験したのでした。 そろそろ辺りが暗くなってきて、僕は今日の冒険を終える事にした。 まだ知らない事がいっぱいあって、僕は不安だけど、お父さんとお母さんが応援してくれる。 いっぱい戦ったから、お腹もぺこぺこ^-^; お腹いっぱいになったら、おやすみなさい。 また、明日があるから、しっかり寝るぞ!! 【第三話】(聖獣って何?〜固有魔物との戦い) 冒険三日目。 この世界にだいぶ慣れてきた。 昨日は失敗も多かったけど、今日こそは失敗しないようにガンバルぞ^-^ まず、僕は昨日の経験を生かして草原で経験値とお金稼ぎ。 海岸はまだ危険だ。 回復アイテムをいっぱい持って冒険、冒険^-^ 草原は昨日と同じで、人がいっぱい。 人がいっぱいいると、魔物もいっぱいになる不思議な世界。 ちゃんと準備したから、今日は草原の奥まで足を伸ばす。 ドキドキするけど、ワクワクする・・・。 草原の奥でミノさんと戦闘!! 負けないぞ!! がんばって、ミノさんを倒すと、宝箱を落とした。 中身は寝袋10個セット。 これで長旅も安心だ^-^ ん? 『ロリロリ〜』って鳴く、蛙さんだ。 僕をジーッと見ている。 なんだろう、この胸のドキドキは・・・。 蛙さんは、だんだん僕に近づいて・・・・・・・・・。 『今夜、一緒に宿屋に行かない?』 えっ^-^; 僕は大慌てで逃げようとした時、誰かとぶつかってしまった。 誰だろうと思ったら、噂のエッチな人だった。 『なんだ、キリは、もう新しい女の子に手を出してるのか。』 どきっ!!!! 僕はちょっと怖かったけど、『巡航艦レダ』さんという人がエッチな人なのか良くわからない。 こっちの蛙さんは『キリランシェロ』って言う人だというのは、今知った事だ。 話をしてみると、それほど怖い感じはしなかった。 でも、良くわからない言葉がいっぱい出て来る。 ロリコン?? なんのことだろう・・・。 二人が謎の会話で盛りあがっているので、僕は先に進む事にした。 草原を奥の奥まで進む。 周りに冒険者の人が少なくなってとても不安に成った。 これも、僕が大きく成長する為の試練だ。 ん? こんな所におっきな黒い虎さんがいる。 しかも虎さんのところに、一人の女性がいて、戦っているみたいだった。 恐る恐る近づくと、長い髪を靡かせて、弓をぴゅんぴゅん飛ばして攻撃している。 暫く眺めていると、黒い虎さんが白くなった。 手ぐしで紙を整えた女性が振り返った。 僕に気が付いたようだ。 『あら、新人の子ね。』 『初めまして、僕ゎメリーサです。』 『掲示板に書き込みがあったのは知ってるよ。こちらこそよろしくね。』 この人は『ぅみのさ』って人で、聖獣を倒す為に冒険しているという。 セイジュウってなんだろう? 僕は知らないので訊いてみた。 『ちゃんと図書館で調べものしてる?』 僕は、一度図書館の前まで行ったけど、変な声がしたので入らなかった事をつげた。 すると・・・。 『あぁ、きっと、レダさんがエッチな本を読んでるのよ。』 エッチなご本・・・。 図書館って本当になんでもあるんだなぁ・・・って思った。 『普通の時は普通の人だから、安心して良いわよ。』 そう言うことなので、僕は、勇気を出して、図書館に行く事にした。 でも、さっき、この草原で出会っているんだから、今はいないんだろう。 多分。 街に戻って、『ぅみのさ』さんの言う通り、図書館で調べることにした。 ふむふむ・・・。 【聖獣】この世界の各地に住む、各地域の守神的な存在。 「青龍」「白虎」「朱雀」「玄武」の4匹がこれにあたり、それぞれ、東西南北の四方位と世界を構成する「四要素」を象徴すると言われる。 しかし現在の環境破壊により、以前の東西南北の考え方は通用しなくなりつつある。 一説によると、彼らは閉ざされた扉を開くためのカギを握ってるという。 閉ざされたカギ??? 僕にはまだちょっとわからない。 それでも色々な事を調べて、いろんなことを勉強した。 SB学校では、教えてくれない事もここには載っている。 人生勉強なんだな、大変、大変^-^; 再び草原に出発した僕は、その『白虎』さんの所に向った。 『白虎』さんは、また真っ黒になっていて、一人でぼーっとしている。 ドキドキして話かけてみると、黒い『白虎』さんが、僕に向って襲いかかってきた!!!! 黒い『白虎』さんはとっても強く、僕は大ダメージを受けた。 回復アイテムを使ってすぐに回復する。 気が付けば、アイテムがもうちょっとでなくなりそう。 怖くて、怖くて、逃げ出したかったけど、そんな時、僕の戦闘を助けてくれる人が現れた。 どうにか、その人の助けもあって、僕は『白虎』さんに勝つ事が出来た。 お礼を言おうと思って振り返ると、その人はSB学校で同級生だった『どらもん』くんだった。 『まだ倒してなかったの?』 そう言って笑った。 笑われてちょっと悔しかったけど、一応、お礼は言う。 『助けてくれてありがとう。』 杓子定規なお礼だったけど、義理は果たしたから良いんだ。 いずれ、僕のライバルになるんだから。 『白虎』を倒した僕は、一度街に戻ったけど、もう一度冒険に行く気にはなれなかった。 回復アイテムを買うだけのお金がないのも事実だったけど、凄く疲れた。 賑わう『居酒屋マリン』の横を通りぬけて、僕は自宅に戻った。 疲れた僕をお母さんが迎えてくれる。 『今日は早かったのね。』 『うん、疲れちゃった。』 そう言って椅子に座ると、お母さんが服を持ってきた。 『メリーサに手紙と荷物よ。』 『ゎたしに??』 差出人は『巡航艦レダ』さんだった。 手紙の内容は、昼間の事を謝っているようだった。 何かあったかな?? それと、軍団にはいらないかってお誘いの言葉もあった。 服はアルファのコートって言う、非売品の防具だった。 本当に貰っちゃって良いのか不安に成っていると、お母さんが横からこう言った。 『貰っちゃいなさい。でも、ちゃんと返事はするのよ。』 という事で、僕は返事の手紙を出す事にした。 軍団のお誘いに付いては、断るつもりだ。 お母さんの話だと、断っても怒るような人じゃないから安心だって。 エッチなのに変な所で信頼されている不思議な人らしい。 お父さんも仕事から帰って来て、一家三人で団欒晩御飯^-^ セイジュウの事をお父さんに話すと、 『危なくなったら逃げる事も大切だぞ。』 って教えられた。 命は大切に、人生は一回だけだから、大事なんだ。 僕はその言葉を心に刻んで、今日は寝る事にした。 少しづつだけど、確実に強くなってゆく僕を実感して。 明日になったら、また一回り成長しよう^-^ 僕は、星に誓うのでした。 【第四話】(英雄の目的〜新たなる旅立ちへ) 冒険四日目の朝。 この世界では雨が降らないので、傘が不用だ。 便利なんだけど、ある意味不便。 どうして、雨も降らないのに傘なんてものがあるのかも謎だけど、それには触れない事にしよう。 今日は、絶望の海岸の奥地を目指す。 図書館で調べて、各フィールドにはセイジュウがいる事を知った僕は、とにかく見に行く事にしたんだ。 やっぱり、自分の目で見ないとネ^-^ ちょっと、怖いけど^-^: 冒険へと出る前に、僕は昨日送られてきたアルファのコートを装備する事にした。 『ステータス』画面で装備の変更と確認^-^ あれ? この服、火とか水とかある・・・。 そう言えば、『万次郎』先生が言ってたなぁ。 防具や武器に付いている『火 水 風 土 雷 聖 邪』は、武器なら攻撃属性が付与されて、防具なら相手の攻撃属性から身を守ってくれるって。 状態が変化する、『毒 錯乱 変化 石化 即死』も、同様だって。 この服には・・・『装備防具 アルファのコート(服 火 水 風 土 毒 錯乱 変化 石化 即死)  防御力 200』 うわっ!! これ、凄く強いや。 しかも、状態変化に対する属性も付いてるみたい。 これって、最初からついてたのカナ?? それとも、つけてくれたのカナ?? とにかく、便利な服という事がわかった。 感謝、感謝^-^ 絶望の海岸では、今日も『ミーニャン』おねーさんが、コツコツと魔物と戦っていた。 おねえーさんに、『青龍』さんのところに行くと伝えると、手伝ってくれる事になった。 やっぱ、おねーさんは優しい^-^ 僕もおねーさんみたいな、優しい冒険者を目指そうっと☆ 『青龍』さんのところに二人で到着すると、すでに、誰かが『青龍』さんと戦っていた。 必死に戦っている人の邪魔をするのは悪いので、終わるまで待つ事に。 戦闘が終わって良く見てみると、『青龍』さんと戦っていたのは、昨日草原でであった『ぅみのさ』さんだった。 ロングヘアーを靡かせてちょっとカッコイイ*^-^* 僕はショートカットなので、あんまり靡かないけど・・・。 『昨日の新人さんね、こんにちは。』 『こんにちは!ぅみのささんって強いんですね!!』 僕がちょっと大きな声で言うと、『ぅみのさ』さんは笑って言った。 『経験値は、メリーサちゃんよりも低いのよ。でも、良い武器防具を装備していると、戦闘が楽になるの。』 『勉強になります!!』 やっぱり、大きな声になってしまう僕に、『ぅみのさ』さんは、優しい笑顔を向けてくれた。 『ミーニャン』おねーさんと『ぅみのさ』さんは、僕の予想通り知り合いの様で、二言三言会話している。 『私は先に進むけど、メリーサちゃん、死なないように気をつけてガンバルのよ。』 『はぃ!!頑張ります!!』 『ぅみのさ』さんは、そう言って、忽然と姿を消した。 僕の目の前で。 『今のは、軍馬って言う道具を使ったのよ。体力が満タンの時に軍馬を使うと、街の近くまで瞬時に移動が出来る便利な道具よ。』 僕は学校で習って知っているつもりだったけど、改めて目の前で現場を見ると、実感が違う。 『ミーニャン』おねーさんは、他にも色々教えてくれた。 PKフィールドにもセイジュウがいるのは知っているけど、そこには、冒険者を襲う人もたくさんいて、PK禁止フィールドよりも何倍も危険だという事。 セイジュウを全部倒すと、新たな道が見えてくると言う事。 そんな話をしていると、『青龍』さんが目を覚ました。 『頑張って倒しましょうね。』 『ミーニャン』おねーさんの援護と、新しい防具のアルファのコートのおかげで、『白虎』さんの時の戦いよりも、何倍も楽に倒せた。 おねーさんは、戦闘が終わると私の体力を回復してくれた上に、道具の軍馬をくれた。 『使用限度数が20回だから気を付ける様に。』 はーぃ^-^ 僕は、軍馬を使って、一気に街に戻った。 『居酒屋マリン』ここには、たくさんの冒険者がいる。 店の中に入らなくても、中にいる人が誰なのか確認できるお店だ。 便利なんだけど、プライバシーが気に成る・・・。 とにかく、誰が居るのか確認してみると、『トーイ』おにーさん、『巡航艦レダ』さん、『クリムト』さんに、『真白』さん、『千華』さん、『シマウ』さん、『時流』さん、『輝夜』さん『シオン』さん、『のびきよ』さん、さらに『リクーム』さん、『アーカード』さん、『50cent』さん、『アラン』さん、そして『プルー』さん。 と、いっぱい人が居る。 どうしてここに来ようと思ったかというと、これから先は、PKフィールドに行く事に成る為、それなりの情報を集めた方が良いという、『ミーニャン』おねーさんのアドバイスだから。 ドキドキしながら店に入ると、マスターの威勢の良すぎる声で迎えられた。 『こんにちは。』 僕はドキドキしながら言うと、さっそく『トーイ』おにーさんに話しかけられた。 『メリーサちゃん、やっとここに来たね。もしかしたら、クリアするまでこないと思ってたよ。』 『どうしてですかぁ?』 『トーイ』おにーさんが答えよえとすると、いきなり『プルー』さんが、意味不明の言葉を連呼し始めた。 いったいなんなのー(>_<) 怒っている人も居るようだけど、お店のマスターさんは何も言わない。 満足したのか、『プルー』さんは、忽然と姿を消すと、普通の会話が出来る酒場に戻った。 『いまのはなんですか?』 その質問に答えてくれたのは『アラン』さんで、なぜか皆から『ランちゃん』って呼ばれている。 男の人なのになんでだろう?? 『プルーって荒らしだよ、ああやって酒場で叫んでたかと思うと、掲示板に落書きしたり。とにかく変なやつなんだ。』 ちょっと気に成った『巡航艦レダ』さんは、『クリムト』さんにおもちゃにされていて、僕と話はできない様子だった。 とりあえず、情報を集める為に、いろんな事を訊いてみる。 『風と炎の砂漠は、土属性の敵だけじゃなくて、風属性を持つ敵も居るから、大変だよ。』 とか、 『帰らずの密林も、けっこう面倒だよ。火に雷に邪。しかも、強敵が出てきたらPKにも狙われるしね。』 僕は少し怖くなった。 この先のことを考えると、本当に危険がいっぱいだからだ。 そんなとき、女の人の『時流』さんがこう言った。 『私も聖獣倒しに行くけど、一緒にいかない?』 『良いんですかっ!?』 『一人より寂しくないし、旅は楽しくないとね。』 だって。 僕は喜んで冒険に同行する事にした。 他の人達に見送られ、僕と『時流』さんとで、風と炎の砂漠へ向った。 僕はいまだに戦士で、この世界のルールである、武器を装備するとその職業になれるというのを、まだ経験していない。冒険に出る前に二人で装備の確認をしていると、『時流』さんが、武器をくれた。 『私の使い古しだけど、戦士よりは良いよ。』 僕は喜んで貰ったけど、装備できるのか良く知らない。 各職業には決まった防具の種類しか装備できず、戦士は鎧と服だけで、衣が装備できない。 これはSB学校でも習った事なので、僕もちゃんと覚えている。 『時流』さんのくれた武器はメテオスウォーム(魔術師)と言うもので攻撃力が220もある。 調べた所、服でも問題ない様なので安心安心^-^ 早速装備する。 んっ!! 経験値がへっちゃった!! そうだ、系統が違うと減るんだった…。 でも、短剣を装備していたときよりも強くなった。 僕が強くなると、敵も強くなる。 この世界の法則なのだ。 自分の強さは、経験値と武器の攻撃力と防具の防御力を合計した強さなんだ。 そして、僕は魔術師になった。 戦士の時とは全く違う自分の姿にちょっとビックリ^-^; あ、でも、ちょっと可愛いかも*^-^* 砂漠へは二人で向い、ついにフィールドに出る。 その一歩を踏みしめた時・・・。 強敵が出現! あぅっ(>_<) 更に初めて見る冒険者が現れた。 『メリーサちゃん逃げて!』 と、言われて、慌てて街の出入り口に逃げ込んだ。 『ポポ』さんという、有名PKさんらしい。 『時流』さんがいなかったら・・・と思うと、やっぱり怖い。 PKフィールドは、一人よりも仲間と行動した方が良いと言う事を知ったのでした。 暫く時間が経過して、恐る恐る砂漠へ。 今度は誰も居ない。 『時流』さんと二人で、『玄武』さんの場所へ急いで向う。 周りには僕達二人だけで、近づいてくる人も見えなかった。 周りが気になるけど、『玄武』さんとの戦闘に集中^-^; 的確な援護によって、意外にもあっさり倒した僕達は、早々に砂漠を後にして、帰らずの密林に向った。 密林に突入すると、周りでは乱闘の真っ最中。 さっき酒場で騒いで居た『プルー』さんが、ここでも騒いでいる。 『ポポ』さんという人が現れて、『プルー』さんを倒した。 すると、『プルー』さんの姿は消える。 どうやら、死んじゃったらしい。 そして、『ポポ』さんも、いずこかへと姿を消した。 『周りには誰も居なくなったわね。』 『時流』さんがそう言うので、僕達は奥に向って慎重に進む事となった。 密林の川を渡ると、前方からこちらに向って人がやって来た。 『時流』さんは、驚かない。 『こんにちはっ!』 と、僕が言うと、返事が返って来た。 『今日は大収穫だよ、PKも少ないし、この先にも居ないみたいだよ。』 この人は『レーヘ』さんという人で、密林でいつも練金素材を探しているらしい。 安心料金がモットーの『レーヘ』さんは、自宅でお店を開店していて、いつも忙しいらしい。 僕達を見ても、襲う気配はなく、軍馬を使って姿を消した。 でも、安心してはいけない。 PKさんがいなくたって、ここは魔物の巣窟。 そう思っていると、魔物が現れた。 強敵が出現!! 敵は図書館の資料によると、『ペガスス』と言う魔物で、後ろ足で蹴飛ばすのが主な攻撃方法。 僕は何度か蹴飛ばされてしまったけど、『時流』さんが近くに居てくれたおかげで、難を逃れる事がで来た。 そして、ついに密林の奥へと辿り着く。 『朱雀』さんというおっきな鳥さんは、炎で身体を包んでいる。 でも、アルファのコートを着ている僕にはへっちゃら^-^ あまりにも簡単に倒してしまったので、何となく寂しいぐらいだ。 僕は強くなりすぎてしまったのだろうか? そんな事を考えていると、突然何処かで何かの音が聞こえた。 『メリーサちゃんも、これからが正念場よ。』 と、『時流』さんが言う。 僕はとっても不思議だったけど、その疑問は街に向って戻るときに解決された。 神秘の雪山!! 僕はとても緊張した。 なにか、とてつもない恐怖が迫ってくるのを肌で感じたからだ。 とても怖かった。 おもわず、『時流』さんにしがみ付いてしまったけど、怒られたりしないで、むしろ、優しくしてくれた。 ちょっと嬉しかったけど、それ以上に怖かったので、僕は、動けなくなった。 動けるようになった頃、外は真っ暗で、僕は酒場で休んでいた。 休んでいる僕に『真白』さんという人が温かいミルクをくれたので、喜んで受け取った。 『真白』さんは、僕に向って微笑んだだけでなにも言わず、酒場の隅に設置されているテーブルにもどって、黙々と作業している。 心が落ち付いた僕は、家に帰ったけど、晩御飯が喉に通らず、寝る事にした。 全然眠れなかったけど。 明日、僕は・・・・・・。 ぅうん。 今は考えるのはよそう。 だって、疲れているのに緊張と恐怖で寝ることが出来ないんだもん(>_<) 本当に、あの肌で感じる恐怖はなんだったんだろう…。 僕にはわからない。 これが、英雄になる為の新たなる挑戦へと繋がる旅立ちになるなんて、この時は思いもしなかった。 【最終話】(やっぱりこの街が好き!〜あの酒場に戻ろう) 冒険五日目の朝。 寝不足の僕は・・・今日は冒険を休む事にした。 だから、のんびりな休日。 街を散歩していると、『レーヘ』さんが、バイトの人を連れて忙しそうにしている。 図書館では『巡航艦レダ』さんが、何か本と向き合ってペンを動かしている。 合戦場では、『okn』さんという人が手に持つ本に何かを書き込んでいる。 遠くから眺めていると、イキナリ、フィールドが増えたり、小さくなったり大きくなったりしている。 すっごく不思議だけど、僕にはなにをしているのかわからない。 弔いの石碑には、『プルー』さんという名前の人のお墓が何個も並んでいる。 居酒屋マリンでは『真白』さんが一人で、やっぱり何かしている。 掲示板には僕の書き込んだ文字がすでになく、他の人の名前で埋まっている。 のんびりして、午後からは自宅で昼寝して、今日に限っては僕だけの平和な1日だった。 冒険六日目。 今日は恐怖に負けて草原でウロウロしていたけど、やっぱりあの場所が気になって、一人で行く事にした。 神秘の雪山は一年中雪が降り積もっている。 全てが万年雪で豪雪地帯なんだ。 雪山もPKに狙われる場所だけど、あんまり人がいない。 それもそのはずで、聖獣を倒した人だけがここに来ることが出来るからだ。 それを知ったのは昨日のことなんだけど^-^; 寒い!!(>_<) ここに来た僕の最初の感想はこれに限る。 アルファのコートを着ていても、やっぱり寒い。 そんな時、冒険者が姿を現した。 PKさんかなっておもって、僕が逃げようとすると、声を掛けられた。 『こんにちわ〜。』 僕は反射的に挨拶をしてしまったけど、PKさんじゃないようだった。 よかった^-^; その人は『輝夜』さんという人で、せっかくここに来て出会ったのだから、一緒に冒険しようと言った。 僕は喜んで一緒に旅をする。 図書館で調べたから、ここで何をすれば良いのか一応知っているけど、不安なのは変わらない。 でも、誰かと一緒なら少しは安心できる。 不安は案の定、大当たり^-^; 僕が何処へ進めば良いのか悩んでいると、『輝夜』さんは、手招きする。 目の前の大きな木に向って歩いていく『輝夜』さん。 ぶつかる!! と思ったら、『輝夜』さんは、すでにその木の向こう。 これは隠し通路と呼ばれるもので、『輝夜』さんの説明だと、 『雪山に限らず、隠し通路は各地にいっぱいあるのよ。』 とのことだった。 僕はここに来るまで隠し通路を使った事がない。 というか、見た事もない。 僕は『輝夜』さんの通る跡を同じ様に歩く。 初めて通過する隠し通路は不思議な気分。 そろそろ歩き疲れたと思ったころ、目の前には不思議な生き物がいた。 『麒麟』さんという、聖獣の仲間なんだけど、ちょっと役割が違う特別な存在。 『麒麟は雷の属性だから、アルファのコートだと大変よ。回復アイテムが心配なら出直した方がいいわね。』 『輝夜』さんはそう言った。 軍馬を持っていると僕がいうと、 『それなら倒せるかもね。』 と言ったので、僕は『麒麟』さんに戦いを挑むことにした。 最初の一撃で僕は瀕死のダメージを受けた。 残りHPが僅かに1になった。 軍馬を使って回復する。 タマにダメージが少なくてHPの残りが2になる事もあるけど、『輝夜』さんのアドバイスで、ダメージを受けたらすぐに回復した。 軍馬の残り使用回数が3回になった時、僕は『麒麟』さんを倒した。 『輝夜』さんも喜んでくれたので、僕は本当に嬉しかった^-^ でも、回復アイテムのなくなってしまった僕は一度街に戻る事にした。 『輝夜』さんも、『麒麟』さんを倒し、二人で街に戻る。 買い物をしたら、居酒屋マリンで待ち合わせる約束をして。 今日の居酒屋マリンは人が少なかった。 『トーイ』おにーさんと『巡航艦レダ』さんが居るだけで、他には誰もいない。 『輝夜』さんは、まだ来てない様子。 僕は、『輝夜』さんを待つ為に、居酒屋マリンに入った。 『こんにちゎ〜』 僕の挨拶に二人が応えた。 『トーイ』おにーさんはカッコイイ人だけど、喋らない時はいつも鏡で自分の顔を見ている。 鏡を見て、ニコニコしている。 なぜだろう? 『巡航艦レダ』さんは、酒場で看板娘の『マリン』ちゃんと言う女性を口説くのに失敗して、悔しそうだった。 『ぁ、そぅぃぇば、アルファのコートありがとぅございました。』 僕がお礼を言うと、『巡航艦レダ』さんは嬉しそうに笑った。 『別に気にする事はないよ。どうせ余り物だし。』 『レダちゃ、この子まで口説く気かィ?』 『キリに取られる前に・・・とらナイトなぁ。』 ???? どう言うことだろう?? 僕、あの蛙さんとなんにもしてないのに。 そんな時、『輝夜』さんが店にやって来た。 『メリーサちゃん、お待たせ。ちょっと手紙書いてて遅れちゃった。ごめんね。』 『いぇぃぇ。僕も来てそれほど時間たってないんです。』 『輝夜』さんが加わって、なぜか4人で昼食になった。 居酒屋マリンでは、マリン特製の日替り定食を注文した。 食べ物の注文は一つにつき5J(ジェニー)で、全て一律になっている。 飲み物も1Jで、これも一律だ。 楽しいランチと、楽しい会話で、ちょっと長居しちゃったけど、これから、僕は、『輝夜』さんと一緒に、もう一度神秘の雪山に向う。 『トーイ』おにーさんと、『巡航艦レダ』さんは、僕達に 『気を付けてね。』 と言ってくれたけど、『巡航艦レダ』さんは、『輝夜』さんに向って、特別なことを色々言っている。 内容までは聞き取れなかったけど、『巡航艦レダ』さんががっかりしているのだけは良くわかる。 どうしたんだろうね?? 『輝夜』さんは、苦笑いして、僕と一緒に酒場を出た。 そして、向う先はもう決定している。 神秘の雪山。 僕はなぜか遠くに懐かしいものを感じた。 気のせいだろうと思う。 『輝夜』さんは、何度も雪山を旅しているらしく、なれたもんだった。 僕は、出現する魔物を倒すのに少し手間取ったけど、とても広い溶岩地帯へと足を踏み入れた。 ここは、図書館で調べた通りの、安全な通路を歩いた。 記憶バッチリな僕は、一歩も間違える事無く溶岩帯を渡りきり、ついに、雪山の奥地へとやって来た。 ここには周りの景色とは不釣合いな魔方陣がある。 僕はちゃんと調べたので、秘密の言葉を知っている。 僕は――― ―――終わった。 ここには一緒に戦ってくれた『輝夜』さんの姿はない。 僕の目の前には、あの姿が。 そして、僕はこの人と少しだけ会話をした。 この人の言うことはどれも最もだけど、どれも間違っている気がする。 どれを選んでも正解な気がするけど、結局は不正解になるような気がする。 僕は、決意した。 ここは僕のいる場所じゃない。 ここには、夢も未来もない。 だから、僕は皆の所に戻りたい。 僕は皆のいる場所に帰る決意をした。 いつもの居酒屋マリン。 戻ってきた。 ついさっき4人でランチを食べた場所なのに、凄く昔の出来事のような気がする。 ここに戻ってきた時、小さな違和感と、とても懐かしい感じとが、僕の心の中で遊弋する。 お店に入ると、いつもとちょっと違って、看板娘の『マリン』ちゃんが迎えてくれた。 『トーイ』おにーさんは、僕に向っておめでとうと言ってくれた。 『巡航艦レダ』さんも、同じ言葉だったけど、ちょっと感じが違う。 いつの間にか『輝夜』さんがやってきた。 また、4人になった酒場でお酒やジュースを飲みながら会話をする。 それだけの事が、とっても嬉しくて、とっても楽しい^-^ 僕は、この時間がとても貴重なものだと言うことを知った。 賑やかになる酒場は、どんどんお客さんが増えて、気が付けば、お父さんとお母さんもいる。 『巡航艦レダ』さんが、僕に向っていった。 『私の軍団に入らない?』 僕は断ると言うことを忘れて、快諾した。 でも、椅子に座ってニコニコしてれば良いだけなので、きっと楽だろう。 蛙さんが椅子に座ってお酒を飲んでいるのが一番印象に残ったけど^-^; でも、僕の冒険は終わらない。 まだまだ、この世界には謎がいっぱいで、僕はいろんなことを知りたいと思う。 だから、明日になったらまた草原に僕はいると思う。 明後日になったら海岸にいると思う。 それは繰り返すだけの単純作業じゃなくて、毎日が違う景色に見えるぐらい新鮮な事だった。 僕の言葉は英雄の石碑に刻まれている。 僕はついに、英雄となったんだ――― 終わり^-^